先週末、博多駅近郊会議室でAdvanced Course 2021 第8回が行われた。

今回のテーマは

再外科治療

Root AmputationなどのCompromised toothに対する対応

自家歯牙移植

GTR/GBR in Endo Surgery

Biodentineを使用した破折した歯へのアプローチ

であった。

ただ、時間の関係でGTR/GBR in Endo Surgeryは次回に持ち越しになった。

それ以外の4項目を説明した。

それぞれ私の症例を元にして振り返ろう。


1. 再外科治療

外科治療が失敗した後の、再外科治療に勝算はあるだろうか?

と言えば、再度やり直すときに前回の問題点を改善できればそのチャンスがある。

以下の症例は他院からの紹介の患者さんである。

あなたには以下の資料から問題点が把握できるだろうか?そしてあなたならその問題点を改善可能だろうか?

私は、誰に何を言われるまでもなくこの患者さんの問題点が把握できているので問題の改善と修正をこの方に説明した。

そして患者さんがその治療計画に同意したため再々外科治療となった。(2017.9.1)

そこから4年経過した(2021.1)

パノラマのスクリーンショットなので単純な比較はできないが、問題はないと思われる。

ここから何がわかるか?だが、再外科治療して勝算があるのは、その問題点を改善できると判断できたときのみである。

判断できなければ問題点がわからない。

わからなければ再度オペをしても問題点は解決しないだろう。


2. Root AmputationなどのCompromised toothに対する対応

Root Amputationの予後を考えてみた。

一般的には高い成功率を誇っているが、条件がある。

 

ということでそれぞれの症例にそれを当てはめてみた。

2-① #31 ヘミセクション⇨Intentional Replantation

治療結果は歯牙の保存ができたが、これが最良の治療と言えるかどうか?はなんとも言えない。

人によって意見が分かれるだろう。

そして以下のようなCBCT像が得られている場合は最終的には問題が早晩発生する可能性が高いのである。

 

その特徴は何だっただろうか?

私が、USC時代にFacultyの試適に逆らってIntentional Replantationを続けていたが、結局破折していたことが多かった。

破折に関しては思うところがあり、今はそれが人生だろうな、と思うことが多い。

自然の摂理には抗えないのである。


3. 自家歯牙移植

うまくいった場合といかなかった場合の2つに分けてその問題点を解説した。この治療は余程のがっちり当てはまるCaseでないとうまくいかないということであり。まさにこの治療はImplant処置に近い。私はもう今は行っていない。

うまくいったCase

うまくいかなかったCase

この2つのCaseの違いは何だっただろうか?

頭に入れることができただろうか??


4. Biodentineを使用した歯牙破折歯に対する対応

道の分野の魔法の薬?Biodentineについて解説した。

特にまだこのブログでも出していない症例を説明した。

#4のApicoectomyを他院でしている。

依頼者は私の大学の後輩である。

順調に治癒を見せていたが…1年後に急発した。

論文の内容に差こそあれど、根切の予後は極めて高いが破折した歯の予後は極めて悪い。

公式に出ている論文はSuper Bondで封鎖したものである。

予後がそれほど良くないことがわかるだろう。

2年も経過しないとわからないのがネックなところである。

これがBiodentineになって良くなるか?というところだが、何とも言えない。

うまくいっているということに根拠がないからである。

短期的なら問題がないのかもしれないが、長期では不明である。

今後の私の研究テーマになりそうな内容である。


ということで1日が終了した。

次回はいよいよ第9回である。

次回もこの会場で行われる。1日お疲れ様でした。