バイト先での患者さんの治療。

患歯は#3.

この日の都合で急に治療となった。

主訴は

咬合すると痛い

歯内療法学的検査は以下になった。

#2 Cold+4/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#3 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(-), BT(++), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#4 Cold+5/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

検査で主訴を再現できていた。

ということは歯内療法で問題が解決できそうである。

PAは以下である。

口蓋根に根尖病変が見られる。

また、

生活歯髄保存療法(断髄)を試みたのだろうか根管は石灰化している可能性が高い。

CBCTを撮影した。

MB, DBには根尖病変がない。

次が

Pである。

Pには病変と思しき骨吸収があるようだ。

次にそれぞれの根管ごとに見ていこう。

MB

根尖病変がない。

しかも歯髄は高度に石灰化しているようである。

しかし、穿通はさせる必要性があるか?と言えば、必ずしもないという話になるだろう。

DB

DBにも根尖病変はない。

石灰化もありそうである。

が、穿通は必ずしも必要ないことがわかる。

P

Pは根尖病変が疑われる歯である。

検査でCold NR/20であったことからおそらくこの歯は壊死している可能性が高いだろう。

以上より歯内療法学的診断は以下になる。

#3 Pulp Dx: Pulp Necrosis, Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended TX: RCT+Core build up

ということで治療計画に同意されて治療へと移行した。


RCT(2022.5.24)

治療の内容は以下になる。

MBは全くファイルが入っていかなかった。

が、

根尖病変がないのであまり関係がない。

DB, Pは穿通した。

Pは根尖病変もあるので最終洗浄前に根管内部にヒポクロを満たしてPatency Fileした。

ということでポイント試適時のPAの予想としては

DB, PはApical Foramenから0.5〜1.0mm引いた位置に、MBはほとんど根管にポイントが入っていないことが予想できる。

ポイント試適してPAを撮影した。

Pが不鮮明であったのでもう一枚撮影した。

問題ないと判断し、根管充填した。

PAを撮影した。

術前のGutta Percha Pointの位置の予想(DB, PはApical Foramenから0.5〜1.0mm引いた位置に、MBはほとんど根管にポイントが入っていないことが予想できる。)は正しかったと言える。

支台築造までして根管治療は終了した。

次回は3ヶ月後に見せてもらう予定である。

半年後にCBCTを撮影してまた皆さんに見てもらうことにしよう。