当歯科医院の治療。
患歯は#19.
主訴はないがこの歯の治療が完結すると根管治療が必要な歯から患者さんは解放される。
最後の根管治療である。
歯内療法学的検査は以下になる。
#18 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#19 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#20 Cold+4/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
患歯にはSinus tractがあり、そこにGutta Percha Pointを入れると以下のようになった。
原因はどうやら遠心根である。
またSinus Tractが存在することからExtra Radicular Infectionの可能性も示唆されるので外科治療が必要になるかもしれない。
Sinus tractが長期にわたる感染の証左であるからだ。
CBCTは以下になる。
咬合面
頬側面
近心
おそらく根管は合流するだろう。
遠心
遠心は1根管であるだろう。
さて。
これをあなたは如何にして治療するだろうか?
外科か?再根管治療か?
と言えば、根尖部が未着手であるので私は再根管治療を選択した。
治療の選択肢は穿通すれば90%あるだろう。
穿通しなければ60%になってしまう。
しかしCBCTを見る限りはMもDも穿通する可能性が高いと思う。
ということで私は再根管治療を行うことを提案し患者さんは了承したため再根管治療へと移行した。
Re-RCT①(2022.5.25)
治療内容は以下になった。
どの根管も穿通した。
ということは少なくとも歯内療法の成功率は90%程度はあると言ってもいいだろう。
ポイント試適のPAは以下になる。
遠心根がGutta Percha Pointがオーバーしていたので#50.04, #40.06と変更したがどれも作業長までしっくりこず、#40.04のGutta Percha Pointの先端を1mmカットして根管充填した。
支台築造も行い、ラバーダムを外してPAを撮影した。
シーラーパフが見られたが下歯槽神経は歯根のはるか下なので問題は出ないだろう。
支台築造も行い、根管治療は終了した。
あとはかかりつけ医にプロビジョナルレストレーションを形成・印象・装着していただき経過を見ていくことになる。
なるべく早い段階での治癒を期待はしているが、どうなるかは神様だけが知ることになる。
うまくいかなければ外科治療になるかもしれない。
次回は3ヶ月後にRecallを行う予定である。
またその模様はご報告したい。