紹介の患者さん。

遠方から来られたため、この初診の日に一緒に治療を行うことになった。

主訴は以下である。

2018 咬合時に疼痛

2020 痛みが再発して根管治療

2021 違和感があり、再根管治療

2022.4 咬合時に疼痛。横から叩くとすごく痛い(10/10)

歯内療法学的診断は以下になる。

#14 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#15 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

検査で主訴を再現できた。

適切な治療を行えば、主訴が解決できるかもしれない。

PAは以下になる。

根管治療を前術者は全く行っていない。

面倒臭いからだろう。

保険点数にならない治療を誰がやるというのだろうか?

誰もするわけがない。

いい加減、患者さんは気づいた方がいいだろう。

歯科医師に(保険診療に)良心はない?という事実を。


CBCTは以下になる。

MB

MBはすでに形成されているのだろうか??

根尖病変が見える。

MB2もあるのかもしれないがこの絵からは判然としない…

DB

DBにも根尖病変がある。

そして、この絵からPにも根尖病変があることがわかる。

P

どの根管からもシーラーパフが起きることが想定される。

そしてそれが起きてもおそらく問題が起きない(問題を起こすような解剖学的問題がない)ことが同時にわかるだろう。

そして根尖部の形成をほとんどしていないという事実からこの歯は穿通させることができれば成功率は90%であろう。

以上を患者さんに説明した。

歯内療法学的診断は以下になる。

#15

Pulp Dx:Previously Initiated Therapy

Periapical Dx:Symptomatic Apical Periodontitis

Recommended TX:Re-RCT+Core Build Up w/wo Fiber Post

ということで再根管治療を行うことになった。


Re-RCT(2022.5.27)

仮封を除去すると、近心側壁に穿孔があった。

が、すぐさまレジンで封鎖した。歯周ポケットがないことからもそれほど大きな問題にはならないと思われる。

穿孔部を封鎖してレジンで充填し再根管治療を行なった。

ポイント試適した。

治療内容は以下になった。

全ての根管は穿通し、ポイント試適をした。

問題はないと思われる。

根管充填して支台築造してPAを再撮影した。

P根からはシーラーがパフしていることがわかる。

MB, DBは以下のようだ。

おそらく問題ないだろう。

ということでこの日に再根管治療は1回法で終了した。

次回は半年後の経過観察である。

それまではプロビジョナルレストレーションを装着していただき経過を見る予定である。

またその際にご報告したい。