紹介患者さんの治療。
主訴は
左下6の抜歯を他院で強く勧められたという。が、患者さんの希望は抜きたくないであった。
ちなみにご本人に臨床症状はない。
歯内療法学的検査は以下になる。
#18 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#19 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#20 Cold+4/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
CBCTを撮影していただいていた。
B側面観
近心根
穿通するかどうか?は別にして、近心根は穿通が必要だ。
遠心根
遠心根にも病変があるので穿通は必要である。
穿通すればその形成の不足から成功率は90%だろう。形成できなければ60%程度だ。
どうなるか?はやってみないとわからない。
なぜなら再根管治療だからだ。
既に誰かが根管をいじっているということは、根管が既に壊されている可能性がある。
つまり、治療上、非常に難しい問題を背負っていることに等しい。
が、前医はラバーダムも使用せずに根管治療し、根尖部の形成・根管充填がほとんどできていないことからRe-RCTを勧めた。
ということで歯内療法学的診断は以下になる。
#19 Pulp Dx: Previously treated, Periapical Dx: , Recommended Tx: Re-RCT+Core build up with Fiber Post
患者さんは治療計画に同意し、再根管治療が同日に行われた。
Re-RCT+Core build up with Fiber Post(2022.7.13)
☆以下、治療動画・画像が出てきますので気分が悪くなる方はSkipしてください。
遠心は穿通したが、近心は穿通しなかった。
C+ File #10,#8,#6, C File #6と使用したが穿通しない。
となれば、機械的に穿通を試みるしかない。
メカニカルグライドパスだ。
HyFlex EDM #10.05, RaCe EVO #10.04, #10.02を使用したが…穿通しない。
いいところまでは行っているのだが。。。
ということで、再根管治療の内容は以下になった。
ML,MBは穿通せずDのみ穿通した。#60.02まで拡大した。
その後、ポイント試適すると以下のようになった。
D根のGutta Percha Pointを2mm切断して再度試適した。
ここからさらに根管充填時は1mm削合して根管充填することになった。ということは合計3mm切断している。
MAFは何号だろうか?
#50-4×3=#38になったため、私は#40.04のGutta Percha Pointで根充することにした。
最終的な作業の様子は以下である。
窩洞内をよく洗浄しBC sealerを落としてファイバーポストを用いて支台築造した。
最終的にPAを撮影した。
近心根はあと少しだったが穿通できなかった。
D根はレングスコントロールができた気がする。
ということで1回法で終了した。
次回は半年後である。
そこでPA, CBCTを撮影してどのように変化しているか?把握しようと思う。
次回まで少々お待ちください。