患者はイギリス在住の日本人女性。

初診は記録によれば2019.2.28で倒れる前の2019.3.1にApicoectomyを#19に行なっている。

2019.3.1に支台築造と歯根端切除術を同時に行なっている。

過去のデンタルを見ると、Apicoectomyを行うが、それがやりやすいように根尖部3mm以上で根管充填をわざとアンダーで行い、切断後に同部に逆根管充填剤を充填するという作戦だったようである。

それからご存知のように私は倒れた。

そして経過を追えなくなったがこの患者さんに経過観察させてほしいという意味も込めてメールしてみた。

すると以下のような返事が返ってきた。


松浦先生

メールをありがとうございました。
去年、手術をしていただき、日本出発前に歯の型取りにH先生の所へ伺った時に
H先生から松浦先生の事をお聞きし、とても心配していました。

手術していただいた歯にはセラミックを被せていただき、イギリスに戻りました。
その3か月後と一年後に日本帰国し、H先生からフォローアップを受けさせていただいています。
一年後の昨年3月は、コロナのパンデミックが騒がれ始めた所でしたが、何とか帰国でき
骨が再生していて、治癒しているとH先生から教えて頂きました。

その時に撮って頂いたレントゲン写真を携帯電話で撮影しましたので、添付いたします。

今年は、夏にも日本帰国したかったのですが、コロナの感染拡大により、3月末から日本帰国が厳しくなっていてやむを得ず諦めました。

ヨーロッパからのフライトで日本入国する場合、羽田到着便を利用するしかなく(南周りで福岡空港からの入国は、できなくなっています)、羽田空港到着後は国内線、電車、バスなど公共交通機関やタクシーを利用する事が禁じられています。

羽田空港から自宅か宿泊施設までは、自家用車かレンタカーかハイヤーでの移動が義務付けられています。

羽田空港でPCR検査を受け、陰性の場合、自宅かホテルで2週間自己隔離し、発病が無ければ2週間後には公共交通機関が使えます。

ハイヤーで羽田空港から福岡まで帰る方法を調べたところ、片道41万円とのことでした。

日本到着後、ハイヤーで陸路福岡まで帰りたいか?と考えたら、答えはNOなので、結局日本へ帰国できずにいます。

そのうち、状況が変わり、日本帰国できることになりましたら、その時にはどうぞ宜しくお願い致します。

イギリスは、12月2日に第2のロックダウンが解除されたと思ったら、一昨日から地域別に厳戒態勢が変わり、ロンドンはTier2からTier3へ引き上げになりました。

私は、ロンドンまで電車で約40分の街に住んでいるのですが、サリー州なので、まだTier2のままです。
でも、各地で感染者が増えているので、今週土曜日にまた見直し&政府からの発表が予定されています。
イギリス人にとって、最も重要なイベントのクリスマスを控え、いつもと同じように家族が集まって過ごせない事はかなりの精神的打撃を与えています。

毎年クリスマスには、イギリスの交通機関は全てストップし、商店は全て閉まり、レストランも殆どが閉まります。

多くのイギリス人は、家族全員が集まり、皆でクリスマスディナーを食べて、一日を和やかに過ごします。

しかし、今年は最大3世帯しか集まってはいけないと言われていて、(できれば2世帯が望ましい)
重症化しやすい老人に感染させてはいけないというような事を言う人も多く、寂しいクリスマスを過ごす老人たちが多いようです。

私の場合は、夫を亡くし一人暮らしなので、大きな問題は無いのですが、、、。
日本も、感染者数が増えているので在宅を勧められているようですね。
松浦先生、どうぞお元気で、良いクリスマスと新年をお過ごしくださいませ。
日本帰国時に、またお目にかかれることを楽しみにしています。


イギリスは多くの人の話を聞く限り日本よりも厳格に国民の管理を行なっているようだ。

しかしこのコロナ過で彼女も帰国は望まないようである。

それはそうだ。高額な経費、そして何よりも命には変えられないからである。

歯科医療はこういう時に国民に何を訴えることができるだろうか?と考えたが私の中にその答えはまだ出てこない。

口腔内が健康であれば長生きできるのであれば、昔いた “きんさん・ぎんさん”は何だったの?という話になる…

やはり口腔内の健康は保つに越したことはないがこのような状況では後に追いやられるのがオチである。

歯科医療の意味とは一体、何だろうか??