過去に治療を行なった患者さんの経過観察。
処置から早いもので2年半が経過していた。
以下の記事が過去記事である。
#18 Intentional Replantation…術後2ヶ月、症状無し歯牙の動揺無し。プロビジョナルレストレーションの装着へ
増患の秘策?貴方の歯科医院に患者が増えないのは??歯科の経営コンサルタントが歯科医院には必要???〜#18 Intentional Replantationから1年2ヶ月経過
経緯をまとめると、
他院で治療され歯の痛みが尋常でない状態になった患者さんで当時の紹介歯科医院に来院されていた。
それからうちに紹介されるものの、
根尖部の拡大が大きい
テーパー形成が十二分になされている
ので問題解決方法は左下7であったので、Intentional Replantationしかなかったのである。
そしてその最中にはPAから、
分岐部病変だ!と蔑まれた
が、そのような所見は全くなかった。
というのがこれまでの流れである。
治療から2.6年が経過していた。
2.6年経過すれば色々なことが変わるだろう。
私も、あなたも、色々な人が変化を感じているかもしれない。
ということで、あれから2.6年経過した。
この患者さんは大阪に引っ越したが、
矯正治療は私が勧めた、福岡市中央区の
安永矯正歯科医院
で今も行っている。
そしてそのついでにうちに来てくれた。
うちには治療だけして、その後全く音沙汰がない人が何人もいるが、そういう人達は自分の歯がどうなってもいいのだろう。
が、それも人の人生だ。
私が追っても仕方がない。
世の中にはもっと大切なこともあるのだから。
ということで2.6yr recallが行われた。
#18 Intentional Replantation 2.6yr recall(2023.5.2)
歯内療法学的検査(2023.5.2)
#18 Cold N/A, Perc.(-), BT(-), Palp.(-), Periodontal pocket(WNL), Mobility(WNL)
#19 Cold 3/4, Perc.(-), BT(-), Palp.(-), Periodontal pocket(WNL), Mobility(WNL)
初診の時の、かなり強い打診痛、咬合痛、根尖部圧痛は消失していた。
検査の模様は以下である。
動画の最後に分岐部を測定しているが、問題があるだろうか?
何も問題がない。
これが臨床での答えだ。
PAも撮影した。
#18 Intentional Replantation 2.6yr recall PA(2023.5.2)
#18 Apex周囲の根尖病変は消失していた。
が、これはPAだ。
CBCTで真実の姿を追求してみよう。
#18 Intentional Replantation 2.6yr recall CBCT(2023.5.2)
MB
術前に存在した根尖病変は消失した。
ML
MLにも病変はない。
ここも消失した。
D
D根にも根尖病変がない。
ここも消失した。
ということで、術前にあった根尖病変はどこかへ行ったことがこれでわかるだろう。
これが歯内療法のもつパワーである。
このように
病気(根尖病変、根尖性歯周炎)をマネージメントできる治療が歯科医療の中では歯内療法しかない
のだ。
もちろん、私はそれを分かった上でアメリカに(USCに)留学した。
ということで何も問題がないことがわかるだろう。
また動画の最後に私は分岐部病変を再度測定しているが、全く問題がない。
このように日本では、
ガチの歯周病患者は少ない
と思われる。
いや、俺の地域はいる!という人はかなりの地方なんだろう。
私もその気持ちはわかる。
何せ私も島根県の出身だからだ。
が、こうした疾患は恐ろしいほど無知の患者か、歯科医師の適当な治療で起きることは間違い無いだろう。
そして最大の問題が、どれだけ歯周病治療しようとも
歯周病は患者の協力で初めて治療が成立する歯科医療である
ということである。
自分が頑張っても無駄だ。
患者の責任が多々である。
いくら歯科医院でTBIしても、PMTCしても、フッ素を塗布しても、毎月歯科医院に通っても、家に帰って歯を磨かなければ、全てが水泡に帰す。
そうそれらは患者依存の治療なのである。
こうした歯科医療は非常に不安定だ。
が、
歯内療法は全ての結果が臨床家自身にある
のだ。
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と話はそれたが、次回は来年である。
また状況を皆さんにご報告したい。