紹介患者さんの治療。
主訴は
矯正治療を行うが、その前に根尖病変を治したい!
であった。
以前、#14のRe-RCTを紹介した患者さんである。
歯内療法学的検査(2023.10.19)
#18 Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#19 Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#20 Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
歯牙に症状はないようだ。
PA, CBCTを撮影した。
PA(2023.10.19)
前医はとにかく、根管治療が面倒臭かったのだろう。
が、
どの症例もこんな感じだから、私の仕事がなくなることは死んでもない
と言えるw
えっ?そんなこと、渡米する前からわかってましたが、何か?
CTも撮影した。
CBCT(2023.10.19)
D
Dには病変がある。
穿通が必須だ。
が、前医の根管治療は…
何も言えない。
ML
MB
MLとMB、通常は非機能咬頭のMLが直線的だが、この歯はどうだろうか?
ML
何と…
MLが曲がっている。
が、
解剖はこのように歯によって異なることは当然ある。
この歯はMBが直線的で、MLがカーブを描いている。
そういう歯もあるものだ。
MB
MBが直線的だ。
MLはMBに合流してるという程で形成した方が簡単に根管充填ができるだろう。
以下のようになる。
が、だからと言って、
再根管治療が2回法になることはない
やることは変わらないのだから。
ということで、診断に移ろう。
歯内療法学的診断(2023.10.19)
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Asymptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Re-RCT
ということで、再根管治療が同日行われた。
⭐︎この後、臨床動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#19 Re-RCT(2023.10.19)
チャンバーオープンしてD, MB, MLを確認したが…MLがない。
MLはどこだろうか?
この最後の絵を見てあなたは何を感じるだろうか?
何も感じないあなたは…
永遠にそこには辿り着けないだろう。
そこを私はいかなる方法で何をしただろうか?
MLはどのようにして私は見つけただろうか?
その意味でも、
私が常にセミナー等でこの道具が大事ですよ、と説明している道具が非常に重要なものだということがわかるだろう。
どういう道具で何をしているか?上記動画でよく見てください。
MLの根管口をSXで拡大する前に、その道具で私は何をしているだろうか?
これこそが、この治療のKeyとなる部分だ。
SXでコロナルフレア形成した。
作業長を計測すると、以下になる。
ということでそれぞれ形成してSingle Pointで根管充填した。
遠心は楕円形の根管をしているので複数のGutta Percha Pointを入れなければ根管充填したときにPoorに見えることになる。
これも文献通りの根管充填方法だ。
と言っても、Single Point根充だけど。
ということで、根充後、PAとCBCTを撮影した。
近心根、遠心根共にシラーパフが見える。
緊密な根充の少佐である。
CBCTも撮影した。
MLはMBにタッチしなかったようなCBCT像だが、だからと言って病気が治らないというわけではない。
その理由はどういうことだろうか?
詳しくは、
Basic Course 2024
で説明します。
ということで問題はないと思われる。
さて。
この治療で最も重要なステップは何だろうか?
HyFlex EDMで#40.04まで形成することだろうか?
BC sealerで根管充填することだろうか?
それよりも大事なものがこのブログの記事にはあるでしょう?
目が見える人ならわかるはずだ。
ということで、次回は半年後の2024.4である。
また状況をご報告したい。