バイト先での治療。

患者さんは30代女性。

主訴は、

歯茎を押さえると時々痛い。

であった。

初診時に検査を行った。(2021.4.16)

#18 Cold+3/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#19 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#20 Cold+4/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

PAは以下になる。

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Asymptomatic apical periodontitis

主訴の歯茎を押さえると時々痛い、という主訴は再現できなかった。

CBCTもこの歯科医院にはあるので一応チェックした。

近心根

遠心根

根尖は湾曲があった。

また根尖病変もある。

穿通できるがわからないが、前医はラバーダムをもちろん使用していないことから再根管治療がファーストチョイスとなったことから再根管治療へと移行した。

が、コロナ騒動がありこの患者さんの治療は2ヶ月後になった。

一応、Recommended Tx: Re-RCTとなった。


再診時(2021.6.17)

冠を除去し、コアの除去を試みたがなんと冠の大部分が歯の内部に掘られたアンダーカットの中に入り込むという異常事態に、除去に時間がかかってしまった‥

保険診療はやはり何が起きるかわからない‥

冠を除去し、虫歯を除去し、ラバーダム防湿して根管治療が行われた。(2021.6.17)

4根管全て閉鎖していた。

根尖病変もあることから、再根管治療の成功率は60%というところか。(穿通してもそんなに変わらないが。)

シーラーはヨシダのBio-C selaerを用いて、根管の中にシーラーを充填し、#40のレンツロを用いてシングルポイントで根管充填し、コア用のレジンで支台築造した。

頬側に多く歯質が保存されていたため、ファイバーポストは使用していない。

PAは以下になる。

ということで再根管治療は1回で終了した。

うまくいかなければ外科治療になる。

しかし、それには4年もの時間が必要であるので経過観察を続けて行うことを患者と約束しこの日の治療は終了した。

補綴治療はすぐに移行しても構わない。

意図的再植術を行うのであれば、別だが。

患者さんは1回で治療が終了したことに驚いていた。

が、これが米国歯内療法専門医の通常運転である。

次回は、半年後に経過観察が行われる。その次はまた半年後(つまりトータルで来年の今月辺りである。)だ。

その際、この患者の模様を都度ご報告したい。