紹介患者さんの治療。
主訴は右下臼歯部の咬合痛
であった。
☆この後、検査動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#30 歯内療法学的検査(2025.2.14)
#30には咬合痛と圧痛が見られた。
オールセラミッククラウンが装着されている歯だ。
PA(2025.2.14)
オールセラミッククラウンの内部は目も当てられない状態だ。
ここに日本の歯科医療の答えがあるだろう。
こんなことをして…患者がどうして歯科医院に通おうと思うだろうか?
私はそんなところに行きたくもないし、金も落としたくない。
とはいえ、PAではRadixが認められるが、そこは未形成だ。
CBCT(2025.2.14)
MB
ML
D
Radix
M, Radixに病変がある。
特にRadixは未形成であるのでここは勝算があるだろうが、かといって、外科にならないというわけではない。
プレッシャーはかかる治療だ。
もしここが外科になれば、舌側から扱うことは不可能だ。
つまり、
頬側2根を短く切断し、
Intentional Replantationを行う以外に攻略できる術はない。
が、そんなことはしたくもないだろう。
如何に非外科的な歯内療法にかかっているか、だ。
歯内療法学的診断(2025.2.14)
Pulp Dx: Previously initiated therapy
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Re-RCT
ということで、再治療が行われた。
☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#30 Re-RCT(2025.2.14)
ジルコニアクラウンを除去する方法が下の動画にある。
私は何を使用しているだろうか?といえば、1本40円の新品のダイヤモンドバーである。
うちはそれを全て使い捨てにする。
うちの歯科医院は必要なものしか購入しない。
まさに…減価償却率100%だ。
クラウンを除去し、ラバーダムをかけて再根管治療へ移行した。
Gutta Percha Pointを除去するはずが、そこあったのはユージノールセメントとブローチ綿花もしくはペーパーポイントだ。
このような治療をアメリカでは行わない。
まさに日本だけの独自の治療方法である。
そしてその上部にはオールセラミッククラウンが装着されると言う悲劇。。。
さておき、再根管形成へ移行した。
さて。上記動画に歯内療法を楽に行う臨床的コツが隠されていることにあなたは気が付いただろうか?
まさか、いつも開口器を装着させて治療してませんよね?
そんなことすると…
患者に嫌がられるでしょう。
まあそうはいえ、歯内療法ができる歯科医院に患者さんは来院はしますが、これこそ開業術でしょう。
ちなみに再根管形成は以下のような工程で行っている。
ポイントは、Radixは#20.05から開始していると言う点である。
なぜ私は#20.05から開始したのだろうか?
その理由は、ネット上に答えがあふれていますが。
さておき、最後に根管充填した。
PA, CBCTを撮影した。
MB
ML
D
Radix
Radixも問題なく攻略できた。
ということで、次回は1年後である。
またその模様をお伝えしたい。