紹介患者さんの治療。

主訴は、

奥歯が痛くて物が噛みにくい状態がここ数週間続いている…早く噛めるようになりたい。。。

である。

歯内療法学的検査(2024.7.1)

PA(2024.7.1)


CBCT(2024.7.1)

#3

MB

DB

P

MB,DB,Pと3根全てに病変がある。

しかも形成が不完全だ。

再根管治療が濃厚である。

#14

MB

DB

P

MB,DBには病変がないが、Pに存在する。

これは頭が痛い。

パラタルフラップも困難なケースだからだ。

#16

歯内療法学的診断(2024.7.1)

Pulp Dx: Previously treated

Periodical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Re-RCT

別日に治療へ移行した。


#3,14 Re-RCT(2024.7.14)

再治療では3根管とも#25.VがいきなりReference Pointに到達したことから#60.02まで形成した。

作業内容は以下だ。

#3 作業長 #14 作業長 #16 作業長

#3,14は#60.02まで、

#16に至っては根管形成自体ができていない。洗浄のみで再根管治療が終了している。気休めに超音波洗浄しただけだ。

こんなことで治癒するのだろうか?

術後にPA, CBCTを撮影した。

#3

MB

DB

P

#14

MB

DB

P

#16

ここから1年、時間をおいた。

#3,14,16 Re-RCT 1yr recall(2025.10.20)

#3 

MB

DB

P

#14

MB

DB

P

#16

初診時+治療直後と比較した。

#3

#14

#16

劇的に病気が治癒している。

特に#16は凄まじい。

超音波洗浄しかできなかったのに根尖病変が治癒しているのだ。

免疫力が非常に強い患者さんなのだろう。

あらためて、この話↓を実感せずにはいられない。

Siqueria 2008 Clinical implications and microbiology of bacterial persistence after treatment procedures

ということで、かかりつけ医には最終補綴を依頼した。

次回はさらに1年後である。

またその模様をお伝えしたい。