バイト先での治療。

患者は60代男性。

主訴は体調が悪くなったり食べたものによって歯茎が腫れる、とのこと。

歯内療法学的検査を行なった。

#19 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#20 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#22 Cold+2/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#19はエナメルプロジェクションが存在した。

分岐部をcheckした。

分岐部病変は存在しない。

PAを撮影した。

歯内療法学的病名は以下になる。

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Asymptomatic apical periodontitis

CBCTを撮影した。

近心根


遠心根

Recommended Tx: Re-RCT

再根管治療の適応症と考えられる。

理由は

①前医がラバーダム防湿していない

②再根管治療により根尖部の形成で感染をマネージメントできる可能性がある(再根管形成できる可能性がある

③修復物のやりかえ希望

であるからだ。

ちなみに、Apicoectomyを行なってもいいと伝えたが、経過観察は長くてもいいのでまずは非外科的な再根管治療から行いたいという希望があった。

ということで再根管治療となった。

ほとんど形成していなかったのでHyFlex EDMで根管形成をやり直した。

残念ながらMB根は穿通しなかったが、その他の2根は穿通した。

Point試適し,PAを撮影した。

MBとML根は、今回はヨシダからいただいたBio-C sealerで根管充填した。

BC sealerと比べると除去しやすい感じであった。

使用感は悪くなかった。

(なお根管充填方法はもちろん、Single pointである。)

D根はBC puttyで根管充填している。その上にBC sealerとガッタパーチャを置いて、

Resin Coreで支台築造し、PAを最終的に撮影した。

さてこの何気無い?根管治療の1番の山場は穿通しなかったMB, MLに対する扱いである。

MLを穿通させるために私はある方法を用いた。これはBasic Courseの実習で既に教えている。

(穿通させる方法に興味がある先生は、2021年のBasic Courseに参加されてください。)

MBはそれを用いても穿通しなかった。

これで治癒するかどうか?は誰にもわからない。

治るのには時間もかかる。

ここからのちは時間との戦いになる。

治るか?治らないか?は神のみぞ知る。

私は、私にできることを精一杯やるしかないのだ。