紹介患者さんの治療。
実は以下の患者さんである。
#14のMBのApicoectomyをこの日に行っている。
以下がその詳細。
このMBの根尖部の病変は6年前にはあったのだろうか?といえば、
#14 初診時 CBCT MB(2018.8.22)
この際はなかったが、
#14 MB 6yr recall CBCT(2024.2.6)
6年経過し、上顎洞に穿孔しそうであったので、患者さんは外科治療に同意されたので別日に、Apicoectomyとなった。
ちなみにこの治療は
保険診療における根管治療
である。
治らないことがわかるだろう。
理由は、
その際にラバーダムをしなかったから
だ。
何度、ラバーダムが大事だと言っても、誰もいうことを聞かない。
それは日本だからとかは全く関係がない。
アメリカでも歯科学生はいかにラバーダムをかけずに根管治療を行うか?に御熱心であったからだ。
ラバーダムをしたくないのであればそれは構わないが、私の仕事は永遠になくならない、という法則がここでも成立する。
さておき、以下がその模様である。
☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#14 Apicoectomy(2024.5.30)
MBのApexは歯槽骨より6.5mm下方にある。
そこを3mm掘るとMBのApexが出るはずだ。
Apexから3mm切断するのだが、その際は頬舌的に6.6mm削らなければならない。
このタイプの上顎MB根は根切が難しいとも簡単とも言い難いが、頬側に皮質骨があることを考慮すると、Tuff Caseに分類されるのかもしれない。
何を言っているのか???な先生は以下の記事を見てもらいたい。
上顎大臼歯MB根Apicoectomy~Easy vs Tuff の見分け方①〜#3 Apicoectomy Easy Case
このケースは頬舌的幅径が5.5mmでリンデマンバーの半分だが、
もう一方のケースは、
上顎大臼歯MB根Apicoectomy~Easy vs Tuff の見分け方②〜#3 Apicoectomy Tuff Case
頬舌的幅径が7.5mmで2根管性である。
このように、
Apicoectomyでは3mmで切断した時の歯根の頬舌的幅径の長さ及びその時に存在する頬側の皮質骨の量で、簡単か?、難しいか?、が決まる
のである。
Root resection後にRacelletを骨窩洞に挿入し、メチレンブルーで染め出した。
MB2の存在が見える。
逆根管形成し、逆根管充填した。
その後、PA,CBCTを撮影した。
問題はないと思われる。
最後に縫合して終了した。
#14 Suture removal(2024.6.7)
ということで、次回は半年後である。
その際に、この保険のInlay冠を除去し、支台築造しプロビジョナルレストレーションをかかりつけ医に装着してもらう予定である。
またその模様をお伝えしたい。