紹介患者さんの治療。

今日、明日でその一連の治療を解説したい。

患者さんの主訴は、

他院で前歯の根元に膿が溜まっていると言われ、抜歯が必要と言われたが抜きたくない。残せないだろうか?

であった。

なおこの患者さんはその歯科医院で右下奥歯も抜歯をされていた。

それがトラウマになっているようだ。

歯内療法学的検査(2024.8.20)

☆この後、検査動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。

#7 Cold+2/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#8 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(+), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#9 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(+), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#10 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

主訴は根尖部に圧痛のあるPFMの#8,9だ。

PA(2024.8.20

#8,9はPFMだが、エンドが絶望的である。

外科が確定である。

CBCT(2024.8.23)

#8

#9

歯内療法学的診断(2024.8.23)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Core build up with Fiber post→Apicoectomy

ということで、同日支台築造を行った。

⭐︎この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#8,9 Core build up with Fiber Post(2024.8.23)

PFMを除去するとそこには…

マウントFuji Prepされた支台歯が顔を出した。

それでも、補綴を作れたのは

歯科技工士のおかげ

である。

しかし、

我々の業界は長年、彼らを虐げてきた。

そして結果、

街から歯科技工士が消えた

のである。

これは2007年にすでに藤本研修会補綴咬合コースで言われていたことだ。

いい技工士はいなくなる、そういう人間と組めない歯科医師に未来はない

と言われたのを思い出すが、これが今や現実になっている。

あれから17年が過ぎた今がそれを証明している。

しかし、私は一才補綴をしないのでもはや関係がない。

ということで、

#8はピンポストコア、#9はポスト長の短いメタルコア除去となった。

まず、#9より除去していく。

このように歯牙が大部分残存していて、ピンのみ挿入されている場合はなるべく滋賀を削りたくないものである。

そんな時に、

Endo Guide Bur

は便利であるが、

日本では販売されていない。

この一つの商品から見ても、この国の歯科事情が垣間見れるというものである。

この後、ラバーダム防湿してファイバーポストを使用して支台築造した。

その手順は

1.  ラバーダム防湿する

2. クラウン修復するので歯槽骨の下までポストコアを伸ばす必要があるので、その部位までGutta Perchaを除去する

3. プライマー、ボンディング処理し、レジンを流し、シラン処理したファイバーポストを根管へ挿入する+光照射

4. ファイバーを切断し、レジンの中に埋める

というものであるそうだが、

12年以上前、私がGPで補綴をしていたときはそんなことは誰も言ってなかったし、そんなことをしてもいなかったが、なぜか今でも、その当時に行った補綴物は微動だにしていないのはどういうことだろうか?

私の歯内療法の中での最長の経過観察症例〜#31 Re-RCT, 治療から10年経過。

きっと気のせいなんだろう。

ということで以下のようになった。

次回はApicoectomyである。

またその模様はお伝えしたい。