以前の記事の経過観察。

#6,8,10の鈍い痛み。特に疲れている時に痛む…5年前の外科的歯内療法の欠点は?〜#6,10 Apicoectomy 5yr recallと#8 Re-Apicoectomy

再度、Apicoectomyした部分はどうなっただろうか??

☆この後、検査動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。

#8 Re-Apicoectomy 1.6yr recall(2025.3.21)

外科治療した歯茎は術前と変わらない位置に戻っている。

なぜか?

歯周病の患者でないからだ。

エンドのオペで歯茎が大量にさがるということは基本的にないのである。

いや、正確には多少は下がる。

そして審美性に影響を与えることもあるかもしれない。

が、病気が治るのである。

歯茎が下がるから、Apicoectomyは…という人がいればそれは歯周病という名のオペに毒されている証拠だ。

嘘だと思うのであれば、このHPを見てほしい。

ここにその“証拠”があるでしょう?

つまり患者さん的には、

どちらを取るか?(審美性重視 vs 感染の除去)により、その患者さんの治療内容は変化するだろう。

ただ、米国で

お前がApicoectomyして歯茎が退縮した!と騒ぐ人間はいないことは確かだし、当歯科医院のApicoectomyの治療の契約書(同意書)にも、

という覚え書があり、ここにサインをした患者さんしかApicoectomyできないことになっているので、うちが何か言われることはないのである。

さておき、話を戻して、PA, CBCTも撮影したので以下に出そう。

術前の病変は治癒した。

ちなみに1.6yr前は以下である。

劇的に歯槽骨が再生していることがわかるだろう。

さて。

ここから何がわかるか?と言えば、異物反応の怖さである。

以下の文献をご紹介しよう。

Koppang et al. 1989 Cellulose fibers from endodontic paper points as an etiological factor in postendodontic periapical granulomas and cysts

Giant cellが存在している。

その原因は…

Paper Pointであった。

つまり、

Cellulose=セルロース=紙

であったのだ。

それがペーパーポイントだろうが、ラセレットだろうが、セルロース=紙には変わりがないのである。

異物反応を防ぐには、アシスタントとのコミュニケーションが重要だということを学んだ1症例であった。

皆さんも気をつけましょう。

さておき、患者さんの経過観察は終了した。

初診時と比較してみよう。

患者さんは、前歯の補綴を希望されているが、

歯肉退縮に対する不安があるという。

が、私は補綴をしないので何とも言えない。。。

さておき、病気は治癒したので経過観察は終診とさせていただいた。

長い間、お疲れ様でした。