昨日の記事の延長線上であるが、昨日は抜髄Caseに関する麻酔の方法であった。

今回は、壊死歯髄や既根管治療歯の急発に対する麻酔の方法に関して論じてみたい。

これも昨日と同じ文献が出典だ。

Successful Local Anesthesia For Restorative Dentistry and Endodontics

によれば以下のように記載がある。

Wells 2011 Efficacy of Ibuprofen and ibuprofen/acetaminophen on postoperative pain in symptomatic patients with a pulpal diagnosis of necrosis

ものすごく痛い時はibuのみならずカロナールと同時に服用すると痛みは取れることがよくわかっている。

が、それでも聞かない時は麻薬系鎮痛剤を処方している。

結果は、

NSAIDSもNSAIDS+Acetaminophenも効果がないことがわかる。

また、それらと麻薬系鎮痛剤も効果に差がないことがわかる。

が、藁にも縋る思いで20%の患者が麻薬系鎮痛剤に手を出していることがわかるだろう。

次が別の文献と教科書に記載されている研究だ。

歯髄壊死急発に対する学術的研究は存在しないと記載されている。

しかし患者さんは歯が痛いから歯科医院に来ているのだ。

強行突破もあり得るだろうか?

といえば、

歯根膜麻酔や歯槽骨麻酔を行う際に激痛で効果が非常に短いと記載されている。

そして、そうした麻酔はすべきでないと記載もある。

つまり、Per急発歯に対する臨床的対応方法は以下である。

そう。

待つしかないのだ。

歯が痛くて歯科医院に行っても、待つしかないとは。。。

しかし、その原因はPer急発なので仕方がない。

歯が痛いのに歯科医院に行っているのに何もできないじゃ能がないだろう。

臨床的対応方法は以下だ。

Per急発を抑える方法とは?

が、文献的な記載はない。

上記教科書にも記載はない。

おそらく、歯根膜炎が消失するので痛みが消えるのだろう。

こうした歯牙に対する対応方法をまとめると以下である。

世の中の、

⚪︎×歯科医院に痛くて行ったのに何もしてくれなかった!!💢 が、他院へ行ったら対応してくれて痛くもなかった。もうあそこの歯科医院には2度と行きたくないです!!という書き込み・苦情は全て上記事象が原因になっているだろう。

こうした状況に立ち向かうコツとしては、

虫歯を全て追いかけないということである。

追いかけると露髄する可能性が高まる。

わざと残して充填するのだ。

その際の利点・欠点は従来からBasic Course等でも述べている通りである。

アメリカにう蝕検知液がない理由がまさにこれである。

相手(虫歯・歯石・細菌)を100%切り取る・取り去るなどということができないということが理解されているからないのだ。

全てはコントロールである。

それを、いや俺はそうは思わない!で言ってもいいが、世の中をもっと理解することだろう。

そのKeyは従来からこのHPでも記載している通りである。

Siqueria 2008 Clinical implications and microbiology of bacterial persistence after treatment procedures

このようにならないためにもかかりつけ医への通院・歯牙のチェックは必須と言える。

ということで、今日は壊死歯髄, 既根管治療歯・(再)根管治療する際の麻酔の方法とその臨床的対応方法についての記事をお送りした。

参考にされてください。