経過観察処置の患者さん。

2018.3.2が初診で以前の歯科医院で治療している。

主訴は他院で抜歯と言われたが保存したいであった。

歯内療法学的検査で特別問題はなかったが、問題は虫歯が縁下まで進んでいるという点である。

歯内療法の成功率はほぼ100%である。

なぜか?

根尖病変がないからだ。

無菌的な治療をすれば勝負に勝つことはできる。

が、懸念はそこまでお金をかけてこの歯牙を保存することができるかどうか?である。

PAは以下である。

診断は以下になる。

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Asymptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Re-RCT

再根管治療の適応となる症例であるが苦しいのは歯質があまりないという事実である。

紹介先に矯正的挺出が可能か打診したところ可能であるという返事が来たので歯内療法に移行した。(2018.3.7)

歯内療法が可能であるのであれば、無理矢理にでも根管治療はできるのである。

以下のPAがそれを示している。

ここから他院で矯正的挺出が行われ、経過観察に移行した。

再治療終了後から半年経過している。(2018.9.16)

エンドの問題は出ていない。

これで挺出に問題がないのであれば、最終補綴へ移行してもいいという打診をしたところ最終補綴を装着したそうであった。

が、私は倒れたので予後が見れなくなったがこの日の定期健診で見ることができた。

治療から4年が経過している。(2022.2.2)

根尖病変はない。

歯牙も安定している。

抜歯と言われた歯が保存できたのである。

患者さんは大喜びであった。

こうした保存処置ができれば日本もまだまだ捨てたものでないだろう。

また来年もRecallしていただける約束を取り付けさせていただいて経過観察は幕を閉じた。