週末日曜日はAdvanced Course 2022 第4回が行われた。
今回は、
①ApicoectomyのLive Ope
②Intentional Replantation実習
③治療計画立案実習の説明
④Endo-Perio Interrelationship
の説明・解説を行った。
まずは今回のテーマの一つで次回の実習内容のApicoectomyのLive Ope。
患者さんは知り合いの歯科医師の先生である。
治療すべき歯は多数あったが、まずはこの日は#3のApicoectomyから行った。
歯内療法学的診断は以下になる。
#2 Cold NR/20, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#3 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(-), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
術前PA(2022.9.11)
CBCTも撮影してくれていた。
術前CBCT(2022.9.11)
MB1
MB2
MBは歯頸部までの切断が必要だろうか?という感じであった。
破折もあるかもしれない。
要確認だろう。
DB
DBはかなり根が短くなっている。
既にApicoectomyしたのか?と患者さんに聞くとしてない、と答えた。
P
Pには病変がない。
ということで治療内容は以下になる。
#3
Pulp Dx:Previously Treated
Periapical Dx:Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx:Apicoectomy(MB, DB)
ということで治療方法はApicoectomyとした。
Intentional Replantationでもいいが、#2-3-4-5とFPDで補綴を壊さないといけないのでそれができなかった。
ということでこの日、治療は開始された。
☆以下、治療動画ができてきます。気分を害する方は試聴をお控えください。
#3 Apicoectomy①(2022.9.11)
逆根管形成は切断面を直視して行う。
ミラーテクニックを使用して逆根管形成をするわけではない。
そのためには患者(ユニット)とマイクロスコープをどのように移動させればよかっただろうか?
MB
CBCTのような口腔内にならなかった。
なるには、歯槽骨を多く削除しなければならない。
それが難しいので単純なApicoectomyになった。
この時必要な道具が、ペントロンジャパンの以下の器具である。
JET-JM3と4はハンドルにつけることができるが、超音波スケーラーのように締めると弛まなくなる。
これはナイスアイディアだ。
DB
DBは歯根が吸収されている。
前医はMTAで根管充填したそうだが、それで根尖病変が治癒するほど根管治療は甘いものではない。
薬の力では治らないのである。
根管治療は何度も言うが、
十分な根管形成(適切な拡大号数、適切なテーパー、適切な作業長の設定)
が必要であり、薬効でどうこうなるものではない。
術前ではだいぶ歯根が吸収されていたようであるので、カットの長さに気を使う必要があるだろう。
あなたはどれくらいカットするだろうか?
PAを見るとすでにMB根の半分まで歯根が吸収されている。
ということは歯根の切断はあまりいらないということがわかるだろう。
なるべく水平に切断し、MTA系の逆根管充填材の封鎖性を高めたい。
また、逆根管形成、逆根管充填をきちんと3mm行いたい。
まずは歯根を切断した。
根尖部の激しい吸収が疑われる。
慎重に切断したつもりだが…それが適切であったかどうかは神のみぞ知る。
次に逆根管形成・逆根管充填した。
術後にPAを2枚撮影した。
このまま縫合して終了した。
次回は1週間後に抜糸である。
また今週末のセミナー時に来院してもらう予定である。
その際の経過を報告したい。
この後、受講生と質疑応答を行った。
切断した後に破折線的なものが見えるのだが…という質問があったが正直それはわからない。
これで治らなければ、患者さん(歯科医師)は口腔外科の先生なので抜歯、インプラントを行う予定であるそうだ。
補綴がFPDで連結されている以上、Intentional Replantationもできないのでこれがラスト治療ということであろう。
治ってくれれば良いが。。。
昼からは、Intentional Replantationの実習を行った。
2人1組で抜去歯牙(根充されたもの)の根尖部を切断し、逆根管形成し、逆根管充填していただいた。全員、問題なくできていたと思う。
そして時間が余ったので、エンドーペリオの話をして終了した。
あっという間の1日であったが、満足いただけたのではないか?と思う。
Advanced Courseでは今後もこのように、臨床的な手技も交えた治療見学も行う予定であるので今後の情報を待ちいただきたい。
次回は、会議室でなく、まつうら歯科医院で行う予定である。ご注意ください。
持参物などはメールしたのでご確認いただきたい。
次回もよろしくお願いいたします。