週末日曜日は、まつうら歯科医院 歯内療法専門室で Advanced Course 2023 第7回が行われた。
この日のテーマは、
Case Report、小児の歯内療法、外科治療の治療計画の立案とそのプレゼンテーション
であった。
Caseは以下の4症例を解説した。
歯槽骨は回復するのか?〜#4 D部 Perforation repair, Core build up with Fiber Post, Apicoectomy 1.5yr Recall
C-shapedの根管を要する上顎第2大臼歯の外科治療〜#15 Intentional Replantation 2.4yr recall
6段重ねの歯科治療その1〜#15 Ext→口腔外C処置→口腔外根管治療→口腔外支台築造→口腔外Apicoectomy→Intentional Replantation 1回法と1M recall
以上のケースについて解説した。
そしていずれも伝えたかったことは、
歯内療法の治療の歯牙の生存率は100%ではないが
Apicoectomy・Intentional Replantationを行うことで根尖病変を治癒させることができる=GBRが不要になる
すると、その次の処置(Implant, FPD)がしやすくなる
いわば歯内療法は次の処置までの、“中継投手”
としての役割を果たせる
ということである。
どうだこの野郎!という気はさらさらない。
次に乳歯の歯内療法の話を行った。
乳歯の歯内療法で重要なことはその治療と予後の特徴だ。
何回で治療を完了し、
作業長はどのように決定し、
どんな洗浄液で洗浄し、
どんな材料で根管充填し、
それでも治癒しないケースがあり、
それにより後継永久歯の萌出や形成不全などが起きるのかどうか?を解説した。
そしてその後、Caseを紹介した。
かつて訪れてくれていた、ニュージーランド人の子供のケースだ。
これを昔行っていた、イブニングセミナーで供覧していたのだから…私はお人よしというか何というか。。。
もう2度とそうした試みは行わないことだけは確かだ。
安い費用で高度な知識を授けるなどもはやあり得ない。私はそうしたボランティアを金輪際、2度と行わないことをこの場で言明させていただく。
さておき、この子供はもう今年で中学生になっているだろう。
この子は、右下のEに痛みがあるという。
が、Cold testも正常なリアクションだ。
このような場合、注意することを説明した。
ヒントは、
上も見ろ
だ。
そして右上のEにCold testをすると、
右上のE,右下のEの双方に痛みが出た。
この話は…
Okeson 2012
の言う通りである。
この子供はその後、どうなっただろうか?
スライドをよく復習しましょう。
そしてこの日の最後に
CBCTに基づく外科症例の治療計画の立案
を行った。
参加者の、あいうえお順に行っていった。
一人目のケースは#27,#30のApicoectomyである。
まずは#27。
根尖が破壊されているこのケースで気をつけることは何だろうか?
みんなでDiscussionした。
次が#30である。
このケースに対して、
Apicoectomyを頬側から行い、Radixも頬側から切断するか、それ以外の方法か?に関して議論した。
根切と再植を同時にする方法(その際は、まずMを切ってDはそのままで、ダイヤモンド鉗子で歯牙を頬舌側に揺らして抜歯)
またそれが無理なら、Dも切断し、Intentional Replantationを試みる、
また口腔外科出身の先生からは、Radixの上部の骨を削り(下図の青い部分のあたり)、頬側方向へ脱臼させて抜歯する、
などの意見が出た。
この際、根切以降の処置(逆根管形成・逆根管充填)は口腔外でこなしたほうがいいだろうと言う意見が大勢を占めていた。
このように、ケースから学べることは多い。
彼は口腔外科出身の先生なので、3月の卒プレでこれがどうなったか?を見せてくれることとなった。
二人目のケースは#19,#28,29のApicoectomyである。
どこにApexがあるか?をまず分析しなければならない。
Apexを探すときに、どのようにすればいいか?と言う質問があった。
その答えは…
このHPのBlogにある。
よく症例の動画を見てみてください。
そして画像を上記のようなものでなく、以下のようにすることが重要だ。
が、これでもまだ不完全だ。
どうすればいい絵になるか?
よく復習しましょう。
そして以下の症例に関してもDiscussionした。
切断の角度が歯軸と不一致である。
これはひとえに何が原因だっただろうか?
あとで動画をよく見て見てください。
そして、私やインストラクターの先生からのアドバイスを臨床に生かしてください。
またケース発表は全く終了しなかったので、次回も続き(残りの先生)のケース発表を行い、そして午後から外傷の講義を行います。
ということで1日はあっという間に終了した。
これが今年最後のAdvanced Course 2023になる。
今年も1年、お疲れ様でした。
また来月お会いしましょう。
みなさま、良いお年を。