アメリカ留学には多くのお金がかかる。
米国に在住資格のない、英語の喋れない日本人であればなおさらだ。
もちろん、何かの幸運で米国に在住できることもあるだろう。
しかし、私は日本人だ。
それを考えると、米国に在住する気には私はなれなかった。
例えばUSCであれば留学当時の時代で年間に必要な学費が$120,000であった。
1ドル=120円の時代であったがために、私は年間14,400,000円の学費を支払わないといけなくなってしまった。
お金をためていた時は民主党政権で、1ドル確か最高70円台水準まで行ったと記憶している。
それが自民党政権に戻るや否や景気は回復し、私のお金は日本に戻るときには底をついた。(所持金30万円)
ということで、両親が歯科医師でもない貧乏人の子せがれである私がなぜ留学できたのか?といえば今日紹介するような間違いなく誰が治療しても成功するというような症例を多数行なってきたからである。
主訴は他院で根管治療の道具を折られたから取って欲しい、というもの。
であったが取る必要がないとお話ししていた。
治療の結果、全く処置した部分には問題が起きていないので私のことが信頼できたらしい。
ということで金属アレルギーを解消するために、補綴のやりかえが目的の再根管治療が右下5にも行われたのである。
症状などは全くない。以下、PAである。
PAをあまり撮影したくないという希望があり初診時に撮影した画像でcheckしたが根尖病変はない。
再治療の成功率は90%以上、100%に近いだろう。
そして再治療となったが、やはり穿通することはできなかった。(B根もL根も閉鎖していた。)
穿通できるような処置も行なったが開かなかったし、根尖病変はないので穿通させる必要性もないのだが。
B: 閉鎖根管, IBF不明, MAF=#60.02(HyFlex EDM), #50.04 Gutta Percha Point+BC sealerでSingle point根充
L: 閉鎖根管, , IBF不明, MAF=#50.03(HyFlex EDM),#40.04 Gutta Percha Point+BC sealerでSingle point根充
ファイバーポストを併用しコアを築造し、PAを撮影した。
ファイバーポストを築造したが、気泡が入ってしまった。
さて、私は医療ミスを犯した極悪人だろうか?
論文をご紹介する。
である。
アブストラクトもない古い論文なので私が多少解説しよう。
この2つの論文はFollow Tube Theoryを否定している。
歴史的な論文である。
Follow Tube Theoryとは何だろうか??といえば、根管充填するときに一切の気泡を認めないという理論につながるエンドの世界のおとぎ話だ。
話の筋としては、Rickert, Dixon 1931 に由来する。
豚に様々な材料を移植した。
するといかなる結果になっただろうか?
ということで気泡はけしからん!という話になった。
が、この話は先述したTorneckにより否定されている。
ということで重要なのはいかにバクテリアを減らすか?ということであった。
あなたが根管充填に以上なこだわりがあればどうぞ。
私には全くこだわりがない。
以前も気泡で患者から術後に突っ込まれたことがあった。
例えばこの症例ではどうだろうか?(突っ込んだ患者とは別の患者である)
PAではわからない気泡が実際は入っている。
勉強会によってはこの気泡が入っているとダメだ、と言われる勉強会もあるだろう。
格好悪いからとかプロじゃないからだとか色々な意見があることも承知している。
しかし、それでは気泡を入れずにレジンで築造することは可能なのだろうか?
私には無理だと思う。
そして気泡を入れたら治らないのか?といえば、そんなことはないということはあなた方の尊敬する歯内療法専門医が1966, 1967に証明している。
事実、この患者は初診時何も噛めなかったが1ヶ月経過してそのような症状は喪失した。
患者は大変びっくりしていたが私には不思議なことではない。
これが歯内療法である。
そして話を戻してなぜ貧乏人の子せがれが米国歯科大学院へ留学できたのか?
それはこの事実を留学前に知っていたからである。(2009年には既に認識していた)
だから私はお金を貯めることができたのだ。