以前の治療の経過観察。

神経を保存して残した歯がすごく痛かったが、今はどうもない。最近はそれが原因なのか、頭痛や鼻詰まりもある。耳鼻科にも行ったが問題ないと言われ、歯科医院に行くように言われた…〜File破折が起きた(MB)#15 RCT 1回法

根管治療から9ヶ月が経過していた。

患者さんにあれからどうなったか?を聞くと、

当時の主訴はもうほぼないということだった。

さて、

#15の上顎洞炎は、

破折したFileを有するMBは、

どうなっただろうか?

#15 RCT 9M recall(2025.1.8)

MB

DB

P

初診時と比較した。

術後9ヶ月で大きく問題が解決していることがわかる。

主訴は改善し、

上顎洞炎はほぼ消失し、

ファイルが破折したMB根は治癒している。

特にNi-Ti Fileが折れたはずのMBは何の問題もなく治癒している。

このことから何がわかるだろうか?といえば、以下だ。

Spill 2005 The impact of instrument fracture on outcome of endodontic treatment

歯内療法の成功率が、

Fileが折れない場合の予後は98.4%で

Fileが折れた場合は86.7%

である。

この文献通りの結果になったことがわかるだろう。

そうここから何が言えるのか?といえば、

Fileが破折した場合はどう行動するか?を熟知する必要がある

という臨床的事実だ。

折れた→やばい!→どうやってそれを取ろうか?

ではなく、

滅菌された新品を使用しているのであるから問題はないはずだ、という姿勢が重要だろう。

ただし、

折れた事実は患者さんに告げなければならない。

USCの契約書では以下だ。

5を見てほしい。

折れた道具は歯学部学生/歯科医師(大学院生のことである)の判断でそのまま残すか、必要であれば外科的に切除する

とある。

どこに、

折れたものは除去しなければならないという項目があるだろうか?

まさに、ちゃんちゃらおかしい話だ。

が、ここは

架空の国、Japan

である。

取りたい人はどうぞ、そっちの世界へ行ってください。

ちなみに、当歯科医院で根管治療に使用するFileはHyFlex EDMであり、ワンユースで使用を控えている。

そんなことをしている歯科医院が他にあるだろうか?私は知らない。

既に滅菌しているものを使用しているのに、どうして問題が起ころうか?

当歯科医院を、保健診療所と一緒にして欲しくないものだ。

以上の事柄は、

Basic Course 2025

でも扱います。

さて、今日のまとめは以下である。

つまり、

一昨日のBlog同様、

ファイル破折は歯内療法の予後に影響を与えない

ことがまたしても証明されてた。

それをいかにして取るか?は重要事項ではない

のである。

が、この業界の方はどうやってそれを取るか?熱心な方が多い。

取りたいなら、

Apicoectomyで取ればいいではないか?!

が、

ApicoectomyでFileが取れなくても治癒していますが?

魔法使いか?道化師か?破折ファイルの除去は必要か?〜#28 Apicoectomy 2yr recall

歯が痛くて死にそう!!〜#14 Apicoectomy 1yr recall

ということで、破折File除去には何の意味合いも持たないのだが、まだそれがわからないのだろうか?と私は思うが、

まあ生き方や臨床的な考え方が違うのだろう。

何時間もかけてどうぞ、お取りください。

ということで、最終補綴は問題ないことをかかりつけ医には伝えた。

次回は3ヶ月後である。

そこで1年経過だ。

またその予後をご報告したい。