過去治療の経過観察。

自分が米国で学んだことを臨床にフィードバックした歯科医療〜#19 Re-RCT 1回法

治療から1年が経過していた。

#19 Re-RCT 1yr recall(2024.3.25)

術前の検査は以下だ。

治療の2ヶ月前からSinus tractがあったという。

これは治療結果に影響を及ぼさなかったようだ。

MB

ML

D

頬側の皮質骨もだいぶ再生してきた。

この状況を初診時、6M時、1yr時で比較した。

Sinus tractや術前の臨床症状は喪失したが、根尖病変が完治していない。

ということで、もう1年後に来院してもらう。

が、

ここで思いもよらない事態に私は遭遇する

ことになる。

#19 Re-RCT 2yr recall(2025.3.26)

MB

ML

D

治癒に手がかかりそうで、それは手から離れていったようだ。

ここから何が言えるか?だが、

Sinus tractが術前にある非外科的歯内療法のケースは長く経過を見る必要がある

という臨床的事実だ。

では、長くとは何年だろうか?

といえば、

Orstavik 1996 Time-course and risk analyses of the development and healing of chronic apical periodontitis in man

によれば、

再根管治療で術前の病変が

完治(消失)

するまで4年かかるという。

そう。

なので私は、

こうした術前にSinus tractがある非外科的な再根管治療のケースでは、

術前の根尖病変が消失するまで気長に(少なくとも4年?)、

経過を追った方がいいだろう

ということが経験できた。

ということで次回はApicoectomyである。

またその模様をお伝えしたい。