バイト先での治療。

主訴は#15の咬合痛。

硬いものを噛むと痛いという。

歯内療法学的検査は以下のようになる。

#14 Cold+4/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#15 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(+), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

PAは以下になる。

破折ファイルが根尖部に存在する。

その存在位置から考えると除去はなかなか難しいだろう、

というよりもこの位置であれば#15を

遠心に倒すまたは頬舌的に脱臼すれば抜歯は容易である。

ということで私はクラウンを除去しメタルポストコアを除去して、レジンコアを築造し、

Intentional Replantationを提案した。

患者さんは同意したので治療がこの日行われた。

しかし、この歯科医院はIntentional Replantationの症例が多い。

正直言って毎回ある気がする。

なぜか?といえば、誰もが容易に根管治療をラバーダムなしでする地域の環境だからである。

その結果、上の奥歯の最も治療しにくい部分に根尖病変ができて外科治療(Intentional Replantation)へと誘われる…

悲しいがこれがこの地域の、いや日本の現実だ。

クラウンを除去し、レジンコアで治療前に築造している。

抜歯を行なった。

逆根管充填し、レントゲンを撮影した。

歯牙を抜歯窩へ再植した。

ということでIntentional Replantationは終了した。

歯牙の固定などは一切行っていない。

さてここから2ヶ月が経過した。

少し咬合痛(打診痛)はあるようであるが、プロビジョナルレストレーションを装着するように依頼した。

PAは以下になる。

根尖病変は消失しているように見える。

ということで、プロビジョナルレストレーションの作成・装着を依頼した。

次回は来月、経過観察を行う。

軽度の咬合痛が消失しているようであれば、最終補綴を行う予定である。