バイト先での治療。
患者さんは20代女性。
主訴は右上の奥歯にゴールドインレーを装着してから歯が冷たいものにしみるという。
歯内療法学的検査は以下のようになった。
#2 Cold+5/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#3 Cold++1/120, Perc.(+), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#4 Cold+9/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下のようになる。
このゴールドのインレーの適合はあまり良さそうでない。
メタルで作成しているのにこのザマである…
かつて藤本研修会で藤本順平先生は、メタルが最も適合の良い補綴を作成することができると教えていた。
私もそれに大いに同意していたがこの修復治療は何だろうか。
返す返すも修復治療は難しいと思う。。。
歯内療法学的診断は以下になる。
Pulp Dx:Symptomatic apical periodontitis
Periapical Dx:Symptomatic apical periodontitis
Cold testに対する反応、その痛みの長さ(何と120秒…=so long lingering pain)から考えても、歯内療法学的診断から考えてもこの歯の根管治療は確実だろう。
しかしながら主訴は解決できる可能性が高い。
成功率が90%以上もあるからだ。
Recommended Tx: RCT+Core build up
患者さんは治療に同意したため根管治療が行われた。
麻酔を行い、ゴールドインレーを除去したがそこにあるのは歯肉炎である。
遠心はメタルの下にプラークが存在した。
金属の適合が良いと習ったことは嘘だったのか?それともこれを作成した歯科医師・歯科技工士がDQNだったのか…
チャンバーオープンし、SXでストレートラインアクセスを行い、作業長を測定した。
チャンバーオープンすると私の診断が正しかったことが証明された。
このような証明作業は是非毎回行って自分の診断が正しかったか?検証したほうがいい。
診断の質が向上することは間違いないだろう。
作業長などを測定したが、MB1とMB2は合流していた。
が、Vetucci 1984によればMB1とMB2の80%が合流していることがわかっている。
いつも通りの結果になっただけである。
作業長は以下のようになった。
BC sealerでSingle Pointで根管充填した。
ということで抜髄・根管治療は1回で終了した。
根充時、特にDB, MBを根充している時に痛みがあったが治療の妨げにはならなかった。
ということで1回法で治療は終了した。
次回は半年後に経過観察を行う予定である。