バイト先での治療。
右上7番が患歯である。
主訴は右上7の咬合痛。
歯内療法学的検査は以下になった。
#2 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(+), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#3 Cold+4/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下である。
診断は以下のようになる。
Pulp Dx: Previously treated(Previously Initiated therapyにしか見えないが…)
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Intentional Replantation
患者さんはIntentional Replantationに同意した。
しかしこの歯科医院はIntentional ReplantationのCaseが異常に多い。毎月やっている気がするが気のせいだろうか?
バイト先の院長先生が除冠し、ポストコアを外してくれた。
さてこの後、あなたはメタルポストコアで築造するだろうか?
もし、Intentional Replantationを行うのであればそれはやめておいたほうがいい。
なぜか?
メタルポストに応力が集中するのはポストが挿入されている根管である。
つまりもし口蓋根にポストコアを作成し装着させると…抜歯時に口蓋根で破折してしまう。
実は違うバイト先でそれで歯が残せなくなってしまったことがあった。
根尖病変のない口蓋根が折れてしまい、根尖病変がある頬側根が残存したからだ。
以降、私はIntentional Replantationを行うのであればレジンコア一択にしてもらう。
もしそれが気に入らないのであれば、Intentional Replantation後にどうぞメタルポストコアにやりかえてくださいと私は伝えるだろう。
ということで歯牙を抜歯した。(2021.7.29)
8番がないので7番の近心にヘーベルを入れて遠心に倒せば容易に抜歯が可能である。
ついでに言えば、頬舌側にも規制がないのでこの方向にも脱臼可能である。
が、近心のみで脱臼は終了しそうである。
ダイヤモンド鉗子で歯牙を保持し抜歯した。
抜歯後抜歯窩をよく精査し、問題がないか確認したが残根などは見当たらなかった。
ということで生食に浸した抜去歯牙を観察・根切・逆根管形成・逆根管充填した。
さてこの時、私は生まれて初めてBC RRMを用いて逆根管充填した。
BC sealerよりも粘っこい感じであった。
価格を比較すると、(スマイルUSによる)
BC sealer・・・$182.00 (約20,020円)
BC RRM・・・$208.00 (約22,880円)
BC putty・・・$164.00 (約18,040円)
おっと、BC RRMはこの3つの中で一番高価な逆根管充填剤だったのか…知らずに使用してしまっていた。。。
しかし、使用感としては使いやすかった。
ただこの3つの違いはおそらくパテをシーラーでどれくらい練っているか?に違いない。
とすれば、普通にBC sealer+BC puttyの組み合わせで良かったかもしれない。
ということで逆根管充填した。
lid techniqueでBC puttyを逆根管充填の上部においた。
これをやるために、レジン充填器を生まれて初めて購入した私。。。
遠心根にBC puttyでlidした。
近心根にもBC puttyをlidした。
PAで逆根管充填の度合いを確認した。
問題ないと判断し、抜歯窩へ戻した。
PAを撮影した。
この日の治療は終了した。
この後患者さんは1ヶ月程度は右側で咬合ができない。
が、動物実験だと2週間で歯がくっついたような感じがするという。
くっついたかなという感じが出たら柔らかい歯ブラシで磨いても良いという話を私はしてこの日の治療は終了した。
また1M後、2M後の状態をこのブログで紹介したいと思う。