エンドに興味がある方なら誰でも知っているだろう器具に、

Stropko Irrigator

がある。

Stropkoとはアメリカの歯内療法専門医のDr.Stropkoのことである。

MB2の発生割合は

上顎第1大臼歯で90%

上顎第2大臼歯で60%

あるという有名な論文の著者である。

Stropko 1999 Canal Morphology of Maxillary Molars: Clinical Observations of Canal Configurations

彼はエンド専門医だが補綴治療もするそうだ。

日本のGPのようなことをしている。

どうやってそれでエンドの患者の紹介を得ているのだろうか?

というのは気になるところだが、その彼が発明した?のが上図のStropko Irrigatorである。

なぜこんなものが必要なのか?といえば、歯内療法外科での逆根管形成窩洞形成後の窩洞の乾燥に必要不可欠だからである。

これがあれば、逆根管形成後の窩洞を乾燥することができる。

なければ?

Paper Pointなどで乾燥するしかないが、逆根管形成のチップのように曲げる必要があり、歯科助手やアシストにつく歯科衛生士は煩雑でイライラするだろう。

ということで、長年この器具を装着したいと思っていたが日本の3wayシリンジには全て装着できないというエンド専門医泣かせの状況だった。

某社の3wayシリンジはこのようになる。

が、この3wayシリンジにStropkoを付けれるようにするという画期的な道具が発売されていることを後に私は知ることになる。

それが以下の商品だ。

BSAサクライから出ているアダプターである。

モリタか、オサダか、タカラか、ヨシダのユニットであればこのStropko Irrigatorをつけれるようにするアダプターが購入できる。

バイト先はメーカー型番がモリタのWS201であったので、それに対応する機種はモリタのMであったので、BSAサクライでそれを購入した。

またこの歯科医院はディスポを好む歯科医院であったので、院長はディスポのStropko Irrigatorを注文した。

これらの納期は約1ヶ月で入荷すると言われたが、届かない。

そして、待つこと3ヶ月。。。

ようやく商品が届いた。

以下のようになる。

それによってこのシステムを享受できるようになったのである。

昔の歯科医院のライブ歯根端切除術の術直後に、前歯の歯根端切除術をしてMTAで詰めたが消えて無くなってしまった、そんなことはあるのか?、という質問をしてきた人がいた。

その時はピンとこない話であったが、今考えるとそれは

逆根管充填する前に逆根管形成の窩洞の中が過剰に濡れていたに違いない。

そして、その後にMTAが溶けて無くなったのであろう。

そうとしか考えられない。

さておき、この道具を取り入れてからこの歯科医院での外科治療が事のほか楽になった。

なぜならそれまでは、ペーパーポイントを折って逆根管形成の窩洞を乾燥していたからだ。

あれは非常にやりにくい。

この道具を使用できるようになったことは、歯内療法臨床をかなり変える出来事と言ってよい。

本当によかった。。。

ちなみにそこの院長にこの説明書はあるか?と尋ねると下図のような説明書を手渡された。

中の説明書を読むと妙な記載があった。

米国のDENTSPLYが作成し、日本のデンツプライシロナが販売しているという。

えっ?

私は米国から2016年に帰国して、Dentsplyとの付き合いは5年にもなるがそんな話を今まで聞いたことがない。

どういうことだ???

しかもこの接続器具はBSAサクライのものではないのか??

なぜDentsplyが???

次回、セミナー担当者の福岡の所長に聞いてみようと思う。

なぜこういう情報を言ってくれなかったのか?、と。(別に怒っているわけではない)

そして驚きはこれでは終わらなかった。


別のバイト先の歯科医院の歯科衛生士が、スリーウェイシリンジがディスポでないことを嫌がっていたので、ディスポに変えたいと言い出した。

FEEDで販売されているような下図のようなタイプにである。

[気軽に交換]FEEDスリーウェイシリンジチップ

なるほどしかしこれをつけるには

専用のアダプター(サニチップアダプター)

が必要だ。

この歯科医院もモリタのユニットで、スリーウェイシリンジはWS201であるので上図のタイプが当てはまる。

が、ちょっと待て…

これはどこかで見たことがある。

この名前もどこで聞いた気が…

そう、さっきの写真の歯科医院でだ。

私にはこのアダプターは別の歯科医院で見たこの赤いやつのような気がしてしょうがなかった。

そこで私は試しにこのアダプターをこの歯科医院のために購入してみた。

すると、下図のような商品が納入された。

サニチップである…

やはりデンツプライシロナが作製している。

説明書があの歯科医院と全く同じものである。

以上からわかることは以下のようになる。


1. BSAサクライのStropko IrrigatorのアダプターとFEEDで売っているアダプターは同じもの

2. BSAサクライでは3ヶ月納期が必要だが、FEEDであれば3日で到着

3. 価格はBSAサクライであれば¥6,050(税込)であるが、FEEDであれば¥4,961(税込)。FEEDの方が安くて早い

4. 外科治療や歯内療法はやりやすくなる(その他の治療にはあまり使えない???)

5. アダプターの交換は容易でどの歯科医院でも歯科衛生士や歯科助手が5分程度で取り付け可能。そして元に戻すのも容易。

6. Stropko Irrigatorを購入するか?ディスポを使用するか?考える必要性はある


ということでいかがだろうか?

FEEDを活用していく利益はありそうである。

ということで、以上歯内療法に関するお得な?情報でした。