紹介患者さんの治療。
主訴は
新幹線のホームで転けて大学病院で手術(顎の手術)した。外傷により歯髄が失活しているので根管治療をお願いしたい
であった。
この患者さんに関しては相談症例であったので既に術前にCBCTを見てしまっており、バイアスがかかっている。。。
痛いところだ。
さて、歯内療法学的診断は以下になる。
初診時 歯内療法学的検査(2022.7.2)
#22 Cold+3/5, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#24 Cold NR/20, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
CBCTも、かかりつけ医からいただいていた。
歯髄は舌側の口頭のすぐ後ろにあるので特に治療で問題が出るとは思えない歯である。
ということで診断は以下になる。
#24 Pulp Dx: Pulp Necrosis, Periapical Dx: Asymptomatic Apical Periodontitis, Recommended Tx: RCT+Core build up
ということで根管治療の適応症である。
治療の成功の見込みは90%と高い。
ということで根管治療が行われた。
RCT+Core build up(2022.7.2)
☆以下、治療動画が出てきますので不快感を感じる方は試聴をskipしてください。
さて、この下顎前歯をどうChamber Openするか?であるが、
CBCTによれば
舌側の切縁近くに穴を開けてそこからストレートに掘れば露髄することがわかる。
ということはこの症例ではEndo Guide Burが必要だとわかる。
以上より、舌側からChamber Openした。
その後、C+ Fileを用いて穿通させ作業長などを測定した。
作業内容は以下になる。
さて私はこのポイント試適をこの後数回繰り返すことになる。
なぜか?といえばどうやら誤って?根尖孔をいじったようだ。
それかこの歯が外傷なため、吸収されていたのか。
そこまでCBCTでわかればいいが何もわからない。
まず#40.04のGutta Percha Pointを試適した。
完全にOverで話にならない。
#40.04のGutta Percha Pointの先端をメスで切断して調整した。
まず1mmカットした。
まだOverになっているのでさらに-1mm切断した。
2mm切断してGutta Percha Pointの先端はApical Foramenにある。
ということは、この部分はおよそ#48.04である。
ということは#50.04を入れてもほとんど変わらないということになる。
ということで私は#50.04のGutta Percha PointとBC sealerで根管充填することにした。
最後にPAを撮影した。
根充後PA(2022.7.2)
次回は、半年後に経過を見る予定である。
その時に再度、#22~27をCold testして見る予定である。
失活が増えていれば根管治療が必要にある箇所が増えるかもしれない。
また半年後の経過を少々お待ちください。