バイト先での治療。
患者さんは50代男性。
主訴はない。
このバイト先の歯科医院の評判を聞きつけて来院された。
思えば、2019.3に倒れて私のHPはお取りつぶしになった。
なぜか?と言えば、私の名前で契約をしていたからである。
Yahoo!ブログの記事、まつうら歯科医院の記事、まつうら歯科医院・歯内療法専門室(博多駅東の時)と3つのHPに掲載していた記事は消失した。
しかしそこでは今日のような話はしていなかったと思う。
Apicoectomyをどのように行うか?という治療計画の立案の方法である。
この記事を見れば、あなたもApicoectomyの治療計画を立てることができるようになるかも?しれない。
初診は1年前の10月であった。(2020.10.20)
その時の、歯内療法学的検査は以下になる。
#18 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#19 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下である。
となれば、Apicoectomyを行うしかないが、患者さんはコロナ禍と仕事が忙しく来院が途絶えていた。
が、仕事がひと段落認め、2021.10.7にこのバイト先の歯科医院に再度来られた。
歯内療法学的検査は以下になる。
#18 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#19 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
前回と変わりがない。
PAを撮影した。前回インジケーターで撮影して根尖部が際どかったため、今回はFEEDのレントゲンホルダーを使用してPAを2枚撮影した。
PAは以下になる。
根尖病変は前回よりも大きくなっているように見える。
CBCTを撮影していただいている。以下のようになった。
CEJから根尖部まで12.26mm, 口唇は柔らかく外科治療で妨げになる要素は少ないと考えられる。
根尖部は二股に分かれている。絵で描くと以下のようになる変わった?根管だ。
しかしながら、下歯槽神経は#19の根尖部のはるか下部にある。安全に外科治療ができる。
ではオトガイ孔はどこだろうか?
#20の根尖部のはるか下にある。
安全に外科治療は行うことができる。
しかも、口唇が柔らかい。ということは術野は#21~#18で事たるだろう。
これは簡単な症例である。
さて、私は上記の事柄を患者さんに丁寧に説明した。
外科治療であるが非常にEasyで術後の腫脹はおそらく少ないだろうということも説明した。
すると患者さんは外科に対して引いていた?方であったが、外科治療を受け入れることに同意された。
予約を取られて帰られたのでその模様はいつか報告しよう。
しかしそれよりもここで大事なことは、
どのように治療計画を立てるか?
である。
ポイントを整理しよう。
1. 口唇は柔らかい⇨術野は自由に取れる&リトラクターがフラップに乗る可能性が低いので外科治療がしやすいし術後腫脹が起きにくい
2. 下歯槽神経、オトガイ孔などの危険要素が外科治療に介在しない⇨術後の麻痺に関しては外科治療自体では起きない
3. 根尖部が珍しい形態をしているが、3~4mmの根尖部の切断で問題がない⇨逆根管形成は難しい?可能性はあるがそれほど時間はかからないだろう
4. 逆根管形成後、Stropko Irrigatorで窩洞を乾燥し、Lid techniqueで逆根管充填
5. 縫合
上記の治療を妨げるような要因はない。
おそらく一番時間がかかるのは、逆根管形成+逆根管充填だろう。
が、Retroprepする部分にGutta Perchaはないのでそういう点ではそれほど難しい治療になるとは思えない。
痛みに関しては麻酔の効きやすい・効きにくいがあるので、ロキソニンを術前に服用するように指導した。
ということで今月、外科治療は行われる。
実際に行われたらまたご報告したい。